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坂口 修一郎

「東京も鹿児島も、すべてフラットな
隣人のように」

鹿児島の山奥にある廃校(かわなべ森の学校※旧長谷小学校)を舞台にしたクロスカルチャーイベント「GOOD NEIGHBORS JAMBOREE(グッドネイバーズジャンボリー)」が今年で11回目を迎えます。

発起人は、イベントプロデューサーながら、無国籍楽団「Double Famous」の一員としての顔も持つ坂口修一郎さん。

いちアーティストだった彼が、音楽やワークショップを楽しめるイベントを企画し、成功に導くまでに至ったのには、大きな「苦悩」と地元への「愛」が詰まっていました。

ミュージシャンから
気がつけば街づくりの場へ

2003年、音楽活動のかたわら、有名ライブハウス「代官山UNIT」の立ち上げに携わった坂口さん。数年間同ライブハウスを中心に活動していたものの、次第に不況の波が音楽業界を襲います。

業界全体でCDが売れなくなるなかで、坂口さんの脳裏に「このまま音楽だけをやっていていいのだろうか?ビジネスを学ぶことも大事なのではないか?」と課題意識が芽生え始めました。

大きな転機となったのは、2008年のリーマンショック。知り合いの会社でイベントプロデューサーとして活動している最中でした。

「外部要因で左右される都会で競争していくよりも、今までやってきたことを踏まえて、生まれ育った鹿児島を本拠地にしよう」

アーティスト・裏方として十分すぎる経験と豊富な知識を携えて、坂口さんは、鹿児島と東京の往復生活をスタートさせました。

地元に帰って感じたのは「鹿児島にも、音楽に限らず面白いアーティストがたくさんいるのに、地元の人たちは彼らの存在すら知らない」ということ。

2010年、東京に劣らないアーティストたちの「発信の場」と、地元の人たちに足りていない「体験の場」をマッチングさせるため、そして何より自分たちが楽しめるステージを作るため「グッドネイバーズジャンボリー」を立ち上げました。

ここでは「地方出身や障害のある・なしにかかわらず、フラットに発信できて、素直に受け取れられる場が理想」だと言います。イベント名が “グッドネイバーズ=良き隣人”なのもその理由から。坂口さんは、どこにでもある「隣人同士の交流の場」を提供しているのにすぎないのです。

「2~3年に1回はピンチがくる」。
それでも10年続いた理由

会場となる廃校の周囲は緑に囲まれ、民家もありません。大型イベントを開催するには適した場所ですが、地元・川辺の方々に理解してもらう必要があります。

今は誰も使っていないとはいえ、その土地に住む人々にとっては大切な学び舎。毎年イベント後はしっかり片付け、“来た時よりも美しく”が信条だそうです。坂口さんや彼を手伝うプロジェクトメンバーの手で、学校の美しさを保っていきました。

開催当初は周辺に住む方に警戒されることが多かったものの、回を重ねるにつれ「だんだん心を開いてくれるようになりました」と振り返ります。

そうして地元からも愛されるイベントとなった「グッドネイバーズジャンボリー」ですが、じつは、数年に一度、地震や台風などの自然災害や、予期せぬトラブルが起こるなど、たくさんの壁があったそうです。

なかでも顕著なのが、廃校取り壊し問題。様々な方の協力を経て利用してきた廃校ですが、2016年、老朽化の観点から取り壊しされる計画が持ち上がったのです。

坂口さんは地元民と共に立ち上がり、廃校維持に向けて活動。長期間かけた結果、取り壊しは免れることに。川辺とプロジェクトメンバーが一体となって困難を乗り越えた瞬間でした。

幾度となく開催中止の危機があったものの、逆風が吹くたびにメンバーの結束は強固に。そして何より、地元の方から感謝されることが原動力となりました。

今年はオリンピックの影響を鑑みて、夏ではなく秋(2020年10月31日)に開催予定。新型コロナウイルスの影響を受ける可能性もありますが、「どんなことでも乗り越えてきた彼らなら大丈夫」。一番そばで見てきた地元の方も、そう思っているに違いありません。

東京と鹿児島を往復しながら
フラットに魅力を見つめる

地方出身の方は、自己肯定感が低く「東京が上で、地方が下」だと感じてしまいがちだと坂口さん。仕事をする上で大切にしているのは、そんな弊害をなくすことだと言います。

「ポジショントークをしないように心がけています。自分が東京にも拠点があるから偉いというわけではありませんし、逆もしかりです。同じ立ち位置でコミュニケーションをとるように心がけていますね」

東京の仕事が鹿児島への貢献につながり、鹿児島で起こしたアクションが東京での仕事につながる......。往復生活をこなしている坂口さんだからこそ、都会と田舎に差異がないことに気づき、フラットな目線で物事を見つめることができるそうです。

そんな坂口さんに、改めて鹿児島の魅力を訊ねると「人と自然」との答え。

とくに川辺の町は自然豊かで、今でも生活のなかで蒔を使うなど、日本の原風景が残っています。鹿児島人の気質も昔から変わっておらず、温泉に入れば見知らぬおじいちゃんが話しかけてくることも日常茶飯事。

坂口さんたちの尽力はもちろんあるものの、自然のなかで育ち、温かい人柄が多い川辺だからこそ、イベントも成功を続けているのかもしれません。

廃校は現在、役場の方の助言もあって、交付金をもらいながら維持されています。さらに現在は廃校だけでなく、隣接する5,000平米の森に大人も子供たちも安全に自然が体験できる「デッキキャンプ施設」をつくる取り組みも、クラウドファンディングにてスタート。

10年以上イベントを運営するなかで、徐々に関わり方も変わってきた「グッドネイバーズジャンボリー」。これからも、隣人同士が助け合いながらイベントは続いていきますーー。

そんな坂口さんが活躍する
鹿児島の街で乗りたいのは、
このクルマ!
Alphard[アルファード]

「クルマでの旅行も好きなんですが、やっぱり燃費は大事ですね。あえて遠回りして桜島が見える錦江湾にドライブすることもありますが、鹿児島はいわゆるシラス台地で坂道が多い印象です。アルファードは室内空間が広々していて、運転者だけではなく同乗者にも快適そうですね。ビジネスクラスのような空間で、長距離移動も疲れにくそうな居住性がいいと思います」

坂口 修一郎さん

「GOOD NEIGHBORS JAMBOREE」主宰
1971年鹿児島生まれ。無国籍楽団「Double Famous」でミュージシャン活動をする傍ら、代官山UNITを設立などを経て、地元鹿児島にて野外イベント「GOOD NEIGHBORS JAMBOREE」を主宰。現在はディレクションカンパニー「BAGN Inc.」を設立し、各地のイベントプロデュースなどを手掛ける。

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