九州オールトヨタ つながる九州・沖縄

03梅津 聡さん

「佐賀から海を
盛り上げていきたい」
牡蠣の常識をアップデートする職人

九州を中心に、牡蠣の養殖を極めた人物として知られる梅津聡(うめつさとし)さん。

6年前「お金は後からついてくる」と、世界中の養殖技法を自ら学びにいくと決めた梅津さんは、それまで日本ではほとんど知られていなかった牡蠣養殖の知識や技法を次々と日本へ持ち込み、その道の第一人者となった。

まるで研究者のように養殖技法について語っていたかと思えば、次の瞬間には経営者の顔になり、漁業のビジネスモデルやマーケティング戦略についても熱く語ってくれる。今では沖縄から北海道まで、全国を股にかけて牡蠣養殖のプロデュースやコンサル業に勤しむ梅津さんは、なぜそこまで「牡蠣」に情熱を捧げられるのか……?

その行動力の源には、「有明海は今でも宝の海だと証明したい」という想いがありました。

圧倒的な努力を経て
「牡蠣のパイオニア」に転身

梅津さんはもともと、埋め立て工事などを行う港湾建設業をしていました。

全国で港の建設や海底調査で海に潜り、年々変わりゆく海の異変に気付き、漁獲量の減少で悩む漁師や、活気を失う港を目の当たりにしていたのです。

有明海の恵みで育ったひとりとして何もできないことに心を痛めていましたが、物心ついた頃から遊び親しんできた有明海も年々悪化していく様子を見て、「このままではダメだ。海の環境改善と漁業の活性化を同時に行なって、老若男女だれもが稼げる新しい漁業をつくろう」と決心したのが、全ての始まりだったそうです。

その時、たまたま仲間から勧められたのが牡蠣の養殖。梅津さんは一度興味のスイッチが入ると、寝るのを忘れてしまうほど夢中になってしまう性格で、牡蠣はまさにスイッチとなったのでした。

その日を境に、梅津さんの生活は牡蠣一色に。

寝ても覚めても、牡蠣の生態や養殖技法について学び「世界一おいしい牡蠣」をつくるための試行錯誤を繰り返しました。気がつけば「日本一、牡蠣を知り尽くした男」と呼ばれるほどに。

梅津さんが言うには、有明海の牡蠣がおいしいのは、他の海で育った牡蠣よりもアミノ酸とグリコーゲンが多く含まれていて、濃厚な味わいになるからだそう。それが証明されてからは、さらにこの町の牡蠣が熱視線を浴びるようになりました。

現在「梅津さんがつくる牡蠣を食べたい!」という声は全国から殺到し、年間数100回以上、美食家たちが集まるパーティなどにも牡蠣を卸しているそうです。

「みんなで儲けよう」と
背中を押す存在に

自ら足を動かし、魔術師と呼ばれるほどに数々の養殖技法を知り尽くしている梅津さん。

そんな彼を心から信頼し、慕い、応援する人たちが日本中にいる理由は「学びはみんなにシェアする」「みんなで儲かることが大事」というスタンスだからなのかもしれません。

養殖を営む人たちから「良い牡蠣ができない、助けてほしい」と相談を受けたら、梅津さんは実際にその町まで足を運び、原因を一緒に探るところから始めます。

養殖方法が悪いのか、海や環境が悪いのか、牡蠣に対する愛情が無いのか……など問題はさまざまですが、彼らに必要なノウハウを伝授し、今後事業の拡大ができるよう、顧客をつなぐところまでアシストしているそうです。

梅津さん自身は、学んできた知識と技法を活かし、転身から1年目にして真っ黒で丸い新種の牡蠣をつくることに成功。すぐに、世界かき学会の森勝義会長や大日本水産会から「話を聞かせて欲しい」と連絡があったそうだ。

スタートダッシュとしては早かったものの「続けてこれたのは、やっぱり周りに応援してくれる人がいたから」と、当時を振り返ります。

養殖を拡大し、事業を伸ばすうえで一番大切なのは「協力者がいるかどうか」。それが身に沁みてわかっているからこそ、新たに挑戦する人たちの背中を押すのも自分の役割、という思いが強いそうです。

自分のなかで「真髄」と思う技法は
実はまだ公開していない

話を聞きながら「学んだことを全てみんなに共有してしまうのは、生産者のためにならないのでは?」と正直に漏らすと、あははっと大きく笑った後に「実は自分自身で生み出した養殖技法は、まだ公開してないんですよ」と梅津さん。

牡蠣については、養殖の知識だけはなく「あたる原因」についての誤解など、実は国内で知られていない情報は、まだまだたくさんあるのだそう。

梅津さんオリジナルの養殖方法は、現状の法律ではまだ許されていないようで、現在の法改定後、広く公開する計画であるということも教えてくれました。

地元の海を守る職人として、見事に返り咲いた梅津さん。有明海から、九州、そして全国へ、「本物の牡蠣」を届けようとする姿がとても印象でした。

梅津さんが活躍する
佐賀の街で乗りたいのは、
このクルマ!
SIENTA[シエンタ]

「以前、全国をクルマで周りながら営業をしていたこともあるので、燃費が良くてゆったり走れる車が好みです。あとは、友達や家族を乗せてみんなでわいわいキャンプや温泉に行くことも好きなので、シエンタはちょうどいいですね。 僕が住んでいるのは港町で、狭い道や坂道も多いので、大きすぎる車だと不便なこともあるけれど、その点、コンパクトミニバンなら小回りも効くから移動のストレスも少ない。仕事の荷物もラクに、ゆったり積めるしね」


梅津 聡さん

株式会社 海男・代表。
佐賀県の最南端、太良町で生まれ育ち、2013年から牡蠣の養殖を始める。
世界各国を旅しながら多種多様な養殖技法について学び、革新的な養殖方法・新種の牡蠣を次々と生み出すことに成功。漁業コンサルタントとしても活躍している。

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