九州オールトヨタ つながる九州・沖縄

01面木 健さん

「右肩下がりになる時代を、熊本から
ポジティブに変えていきたい」

熊本市内の上通りを歩いていると、ひしめき合っているビルとビルの隙間に、おだやかな風の通り道があらわれます。

上通りアーケードの、ちょうど中間地点あたり。

手前にはカフェがあり、吹き抜けになっている奥には中庭。アーケードを見下ろせる屋上テラスもあります。

ここは「OMOKEN PARK(オモケンパーク)」。誰でもふらっと立ち寄ることができ、人と人を繋げてくれる、街の「縁がわ」です。

オーナーを継ぐとき
「熊本に優しい場所をつくろう」と決めた

「熊本地震があった時にね、この場所をテナントビルにしても仕方がないだろうって思ったんです」

そう教えてくれたのは、「OMOKEN PARK」のオーナー・面木(おもき)健さん。そう、「オモケン」という言葉は、彼の愛称からきていたんです。

2代目オーナーである父が亡くなり「ビルはお前の好きにしていい」と託された面木さんでしたが、2016年4月に起きた大地震の影響により、ビルは解体を余儀なくされました。

井戸だけが残った更地にもう一度ビルを建設するとしたら、かかる費用は2億円以上。テナントには全国展開しているようなチェーン店を入れなければ、月々の返済が厳しくなるほどの金額でした。

「自分自身の首を絞め、熊本のローカル色を薄めることに価値があるだろうか?」 「今の時代に、この更地を活かして何をするべきなのか?」

考えつづけて出した答えは、人々のつながりをもとに、熊本に新たな「賑わい」や「新しい価値」を創出する “場づくり” でした。

面木さんはこう言います。

「震災のあと、無事であったことを喜び、人目もはばからず抱きしめ合う人々の姿を幾度も見ました。そして、街とはこういう瞬間を守る場所であるべき」

と。そう強く思ったそうです。

これから先、日本の人口はさらに右肩下がりになり、熊本の人やモノも減っていくことは想像がつく。それなら、空いたスペースをポジティブに有効活用していくという発送が必要になる。「OMOKEN PARK」は、そのモデルケースとしての狙いもあったのです。

オモケンパークが実現する
「場づくり」と
「ソーシャルグッド」

面木さんは「ここを、地元の材料を使って熊本の自然を感じられる場所にしたい」と考えていました。

地元の人たちには、この街を改めて好きだと思ってもらえるように。観光客には、まだ知られざる熊本の魅力を知ってもらえるように。

そんな思いを込めて、カフェの入り口と中庭に移植したのは、阿蘇の木々たち。壁に使われているのは、「小国杉」を使った頑丈なCLTパネル*です。足元に使う素材にもこだわっていて、中庭に敷き詰めたのは水を通すタイプの「透水レンガ」でした。

ずっとこの場所で守られていた井戸から出た水や雨水は、すべてレンガを通り抜け、地下水に戻るという循環をつくっています。

*Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略で、板の層を互いに直交するように積層接着した厚型パネルのこと

商業ビルから「OMOKEN PARK」へと姿を変えたことで、この場所には老若男女問わず様々な人が自然と集まるようになりました。イベントスペースとしても使用できるため、中庭がトークセッションの会場となったり、屋上テラスがヨガスタジオになったり、その時々で自在に姿に変えます。

2019年10月には、ラグビーワールドカップ・海外メディア交流会の会場となり、この場所にウェールズの選手たちが集ったそうです。

「これからも、みんなの『こんなことやってみたい!』を実現できる場所でありたいと思います。型にハマらず、街の声を聞きながら改良を重ねて進化しつづけていきたいですね」

街中に緑を増やして、
次世代にバトンタッチしたい

「OMOKEN PARK」のプロジェクトを進行しているとき、こんな出来事があったそうです。面木さんが亡くなった父の書斎整理をしていると、とある新聞の切り抜きを発見。

市長と市民の座談会が行われたという内容で、市民代表として選ばれた面木さんの父が、「この街に必要なもの」を語っていました。そこには「子どもたちが自由に遊べるような空き地が欲しいですね。そんなに広くなくてよくて、木が植えてあって自然を感じられるような場所が必要です」という言葉が。

まさに「OMOKEN PARK」のような場所を、父も必要だと感じていたんだ…! 面木さんが「心底驚いた」というのも当然です。この出来事があってから、さらに「使命」を感じ、ますます前向きな気持ちになったそうです。

これからの時代は、「拡大・成長」よりも「縮充・成熟」の考え方が必要になる。そんな面木さんの「右肩下がりを、ポジティブに転換していきたい」という熱い想いが、この場所には込められていました。

面木さんが活躍する
熊本の街で乗りたいのは、
このクルマ!
AQUA[アクア]

「城下町としてお城を取り囲むように出来ている熊本の街は、どこの駅からも遠いので車が必須です。街中は細い道や坂道も多いので、小回りのきくコンパクトカーが助かる! アクアは家族で遠出するときも十分な走行性能があるし、荷室の広さもいいですよね。また燃費の良さが何よりありがたい! 熊本地震のときを思い出すと、やはり燃費のいい車の重要性を感じます」

面木 健さん

「OMOKEN PARK」オーナー/ディレクター
2010年父の他界にともないオモキビルの事業を承継する。
本格的に、熊本でのネットワークづくりを開始。2019年現在は、「OMOKEN PARK」の運営の他、化血研の製薬事業を継承した、KMバイオロジクスの広報課に在籍。サステナビリティ、CSR、SDGs、地域貢献活動などを担当する。

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