九州オールトヨタ つながる九州・沖縄

津嘉山寛喜

「うちなーの竹を使うことに
意味がある」
沖縄でただひとりの竹細工職人

沖縄のイメージを聞かれて、青い海、澄んだ空、おいしいグルメ……と挙げる人はいても「竹」と答える人はほとんどいないでしょう。

とはいえ、古い文献には大陸から琉球を経て本土に伝来された記述があるほど、沖縄では竹が重宝されていた時代がありました。そして現在、工業製品では決して生み出すことができないぬくもりや風情を求めて「沖縄の竹細工」に注目する人が増えています。

そんな沖縄で、ただひとり竹細工を作り続ける職人・津嘉山寛喜(つかやまかんき)さん——。沖縄市にある工房を訪ねると、朗らかな笑顔の中にも「竹細工の文化を途切れさせたくない」という使命感を背負った職人の姿がありました。

次世代へ繋ぐ「竹細工」
父親と大喧嘩の過去も……

祖父の代から受け継いでいるという竹細工づくり。令和元年に古希を迎えた70歳の津嘉山さんですが、実は竹細工職人になったのは遅く、40歳の頃だそう。

幼い頃から父親の仕事を見て学んではいたものの、開始当初はうまくいかないことが多かったと言います。

父親に教えを請いながら、当時は機械化(竹ひご機導入)について意見が対立したこともあったとか。効率化を優先させるため、最低限の支出も必要だと考える津嘉山さんと、昔ながらの手作業を重んじる父との間で、親子喧嘩が勃発……。

「意見が一致しないまま、父は他界してしまったんですけどね。今となっては、心配する気持ちが強いがゆえの説教だったんだな、と思いますよ」

竹細工づくりを始めて30年。

他地域の子どもたちのために体験学習を開いたり、国の仕事に携わったりと、様々なターニングポイントはあったものの「沖縄から離れようと思うことは一度もなかった」と津嘉山さん。

「うちなー(沖縄)の材料で作ることにこだわりがあります。だからこそ、お客さんもついて来てくれるんですよ」

そんな想いを乗せて作る竹細工は口コミで話題を呼び、現在1年待ちの状況なのだとか。

「手抜きをせずに満足できるものを作れば相手も喜ぶし、自分のやりがいも生まれる。そうすればお客さんがまた別の人を紹介してくれる。ありがたいことです。やっぱり、気持ちを込めて作ることが大事なんだと思います」

経験豊富な技術と懇切丁寧な仕事で生み出した「美しい作品」と、顧客からの「信頼」は、津嘉山さんが大切にしたこだわりによって続いてきたものなのです。

「夢とトキメキを大事にする」
津嘉山さんの仕事術

材料となる「ホウライチク」は、3ヶ月に1回のペースで沖縄の北部まで自ら足を運び、伐採。素材として使う竹を吟味するため、そのときは朝から夕方まで竹林にこもりっぱなしになるそうです。

その後、材料を工房に持ち帰り作業に入るものの、注文を受けても、あえて納期は設定していないそう。

「仕事に追われると、納得できるものが作れなくなるんです。締め切りを設けないことが、逆に自分へのプレッシャーにもなることもあるからね」

以前は夜中まで作業することもあったそうですが、今は何より仕事を楽しむことを優先しているという津嘉山さん。

そんな風に、仕事を楽しむことを忘れない津嘉山さんの頭の中には、外国製の鋳物をとり入れたコラボ品やレトロな作品など、どんどん新商品のアイデアが湧いてくるそうです。

「新しいものを作る時は、恋心に近いんです。恋をしている時って、相手に会えると嬉しいでしょ? その気持ちと一緒ですよ」

照れ笑いを浮かべる津嘉山さん。「70歳になっても、夢は膨らむばかり」というバイタリティに驚かされました。

刺激を求めて
今でも積極的に海外へ

多忙な毎日の中で楽しみにしているのが、年に数回の海外旅行。

ただ観光を満喫するのではなく、竹細工にまつわる学びがありそうな国へ赴き、そこで感じるインスピレーションを大切にしているそうです。

「昨年はタイのチェンマイで竹細工の交流会に参加しましたし、数年前には日本よりも竹の歴史が深い中国へ語学留学もしました」

海外を視察して痛感したのは「どの国でも、伝統的な仕事をする若者が減っている」という現状。この問題は、津嘉山さん自身も感じていることでした。順調に仕事をこなしてはいるものの「後継者が育っているとは言えない」と。

「こういう技術は、自ら学びたいと思わないとなかなか上達しないものですから」

次世代にバトンタッチするためにも「竹細工への愛」を持つ職人を探すことが急務。でも津嘉山さんは、焦らず前を向きます。

「私がやらなければ誰がやる、という気持ちです。そうした使命感もあり、今でも頑張れています。自分の代で終わらすわけにはいきませんからね」

津嘉山 寛喜さん

沖縄本島でただ一人残る竹細工職人。
竹細工職人の家に生まれ、生活用品としての竹かごが今の装飾品として変化するまでを経験した生き字引的存在でもある。
将来は竹かごの博物館をつくりたい等、自身の仕事を通じた文化貢献にも精力的。

津嘉山さんが活躍する
沖縄の街で乗りたいのは、
このクルマ!
TANK[タンク]

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「普段は孫の送り迎えで運転する機会が多いので、衝突被害の軽減や踏み間違いサポート* といった最新の予防安全機能が搭載されているクルマだと安心です。また、スライドドアだと小さな子どもが乗り降りするのも楽にできますね。雨の日には特に便利さを感じますよね」
*グレードにより各機能の設定は異なります。詳しくは販売店にご確認ください。

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